社会的養護施設第三者評価結果 検索

東光乳児院

【1】第三者評価機関名 (公社)新潟県社会福祉士会
評価調査者研修修了番号 SK18104
SK2021106
SK2021110
28015
202119
【2】種別 乳児院 定員 15名
施設長氏名 福田 友理子 所在地 群馬県
URL http://www.sankou-fukushikai.jp/
開設年月日 2005年05月01日 経営法人・設置主体 社会福祉法人三晃福祉会
職員数 常勤職員 27名 非常勤職員 1名
有資格職員 保育士 8名 児童指導員 2名
看護師 6名 栄養士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 寝室(15名定員)40.815㎡ (イ)設備等 食堂、新生児室、浴室・沐浴室、ほふく室
(ウ) 観察室、診察室(相談室)、事務室 (エ)
【3】理念・基本方針 ■法人理念
創造・誠実・愛和
1 社会を愛し、人を愛し、己を愛する人格を養成する
2 和と進歩と信念に徹する人格を養成する
3 連帯と理解と奉仕でユートピアを実現する

■法人基本方針
1 人格の尊重:利用者の人格を尊重し、個人の尊厳に配慮した安心・安全な福祉サービスの提供に努めます。
2 サービスの質の向上:利用者の立場に立って良質かつ適切な福祉サービスを提供するように努めます。
3 地域福祉の推進:地域の声を傾聴し、地域とともに発展する組織を目指します。
4 説明責任(アカウンタビリティー)の徹底:法人の業務及び財務等に関する情報を開示し、説明責任を果たします。
5 トータルな人材マネジメントの実現:運営理念を明確化し、実現するために期待する職員像を明示し、トータルな人材マネジメントシステムを構築し、職員の資質向上に努めます。
6 職員処遇の向上:良質な福祉人材を確保するため、職員の安全と健康を確保し職員処遇全般の向上に努めます。
7 法令遵守(コンプライアンス)の徹底:法令、社会的ルールやモラルを遵守した運営に努めます。
8 組織統治(ガバナンス)の確立:推進する力を持つ組織作りと自ら改める組織作りを目指します。公正かつ適正な運営を可能とする組織統治(ガバナンス)を確立します。

■施設理念
安穏(あんのん)~悩みや苦しみがなく、願いが叶い、幸せに暮らせますように~

■施設基本方針
(権利擁護)
○子どもの権利を守ります。必要に応じて代弁します。
(個別対応)
○一人一人の状態を見極め、最善の利益を追求します。
(発達の保証)
○将来の自立のための基盤となるよう、安心・安全な環境を提供します。
○全てに手をさしのべる時期から、出来ることを見守り必要最小限の手助けをする時期へとタイミングを見極め移行します。
(家庭的養護の推進)
○家庭で行われていることは極力取り入れます。
(家庭・里親支援)
○家族・里親と一緒に子育てします。
(職員の資質向上)
○いつも心を穏やかに保ちます。
○すべてのことはわからないけど、わかろうとする気持ちを大切にし、学びます。
○子どもの良いモデルとなります。
(地域支援)
○地域に迷惑をかけず、お役に立てるよう心がけます。
【4】施設の特徴的な取組 ・業務の標準化(マニュアルの作成)、OJTシートの活用、SV(スーパービジョン)の体制づくり
・「規程綴」「職員必携」という規程類が綴られているファイルを全職員に配布している。
・各種会議の開催(職員会議、ケース会議、ミニカンファレンス、養育会議、看護会議、相談員・心理会議、調理会議)
・法人主催の各種委員会に所属する職員さんの活躍
  権利擁護員会:権利擁護ヒヤリハットの実施、規程の読み合わせ会等
  リスクマネジメント委員会:事故・ヒヤリハット報告書の展開、防災・防犯に関すること等
  研修体制検討委員会:研修計画、研修に関する面接の実施、SVの定着等
・こどもの支援にあたる時は、2人以上の体制で支援するよう心掛けている(通院等の外出時も)。
・スプリンクラーを自主設置している。
【5】第三者評価の受審状況 2022年07月12日(契約日)~ 2023年02月27日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成30年度
【6】総評 【特に良いと思う点】
○利用者や施設の課題にスピード感を持って取り組んでいる。
 施設の子どもの支援や職員の就労状況等、日常的な課題に対して職員間で話し合い、最終的には管理職層で確認しスピード感を持って改善に向けた取り組みを実施している。実施に際してはマニュアルや手順書等も整備され、職員に周知し実施しやすいように努めている。

○法人全体の力を結集させ、施設をとりまく環境や課題等に対して組織的に対応している。
 同法人では乳児院(当施設)、母子生活支援施設、児童養護施設等の運営を行っており、3施設で協力できることは連携、協力して対応している。例えば、防災や地域福祉への法人事業所や職員の機能の還元など、3施設合同で取り組んだ方が成果が見込まれることに関しては、各施設から担当者を選任して対応している。この取り組みによって、各施設の横の繋がりも多くなり法人内に良い効果をもたらしている。

〇子どもの健康管理、病・虚弱児等に対し、日常生活上で適切な対応策に努めている。
 子どもの日々の健康観察を実施し、必要があれば嘱託医や専門医を受診して相談、指示を仰ぎ、適切に対応している。また、今回の第三者評価で実施した訪問調査においても、新型コロナウイルス感染症の予防対策と、施設内で感染者が発生した場合の対応方法について確認することができた。専門家の助言を積極的に受け入れて子どもの健康管理に努めている点が評価できる。

【特に改善が求められる点】
○子どもの養育環境の検討(大舎性から小舎性への展開)
 職員は子どもの支援計画を作成する際には、十分にアセスメントを実施して支援内容について検討し計画を策定している。また、子どもへの個別的な対応などについても、効果的に実施できるように努めている。しかし、子どもの人数が多く、1か所に集中して居住、遊び、食事等を実施している状況から、個別の子どもへの対応が実施できない環境であることが垣間見えた。
 同法人の児童養護施設では既に家庭的養育の推進のため小規模グループケアの導入が行われており、子どもの支援の継続性からも乳児院においても実施に向けた検討が期待される。

○職員と子どもの豊かな関係性の構築
 集団支援であり、子ども一人ひとりと十分な時間を過ごすことができず、職員と子どもの関係性を深める機会が少なくなっていることが確認できた。子どもの支援に関しては、今回実施した職員自己評価のコメントからも、計画と実際の支援内容に若干のズレがあると感じていることを読み取ることができる。
 前述した環境面での整備に合わせて、専門職である職員が適切な支援を提供できる子どもの人数や支援環境等の検討も期待される。

○管理職層と一般職員とが共通認識を持つための取り組みが期待される。
 職員会議等での決定事項についての一般職員への周知は、今回実施した自己評価のいくつかの項目及び職員コメントから、施設の課題であることが分かる。職員会議は決められた手順に沿って職員の発案、協議、当面の方針が示され、施設長の許可を得て実施されており、一見問題はないように見受けられる。しかし、職員の認知度が低く、協議や当面の方針までの決定スピードがやや速すぎるか、十分な説明が不足しているなどの原因が推察される。早急に実施すべきこと、十分な検討期間を経た方がいい案件とを区分するなどして、職員の理解や納得を得ながら必要な案件には時間をかけて丁寧に進めることが期待される。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  第三者評価を受審し、至らぬ点が多々あることに気付かされましたが、評価結果が以前はb評価だった項目がa評価になったものもありました。東光乳児院をより良くしていこうとしている職員の意欲が評価に現れたことは職員にとっても今後のモチベーションアップにつながることと感じました。
しかし、まだまだ改善できることがたくさんあることにも気付きましたので、今後も子ども達にとって安全・安心かつ穏やかな暮らしを創造し、少しでも地域のお役に立てるよう、第三者評価の客観的な意見に真摯に耳を傾け、職員一丸となって施設の資質の向上に向けて取り組んで行きたいと存じます。
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