社会的養護施設第三者評価結果 検索

中心子どもの家

【1】第三者評価機関名 (特非)ニッポン・アクティブライフ・クラブ ナルク福祉調査センター
評価調査者研修修了番号 SK2021105
SK2021104
SK2021185


【2】種別 児童養護施設 定員 50名
施設長氏名 丹 清 所在地 神奈川県
URL http://kodomo.chusinkai.net/
開設年月日 1948年11月20日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 中心会
職員数 常勤職員 22名 非常勤職員 7名
有資格職員 社会福祉士 2名 保育士 6名
管理栄養士 1名 栄養士 1名
調理員 4名 心理士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 全4ユニットで、1ユニットあたり7部屋(うち4部屋が個室)居室A2人・14.83㎡、居室B2人・14.72㎡、居室C3人・16.75㎡、居室D3人・16.85㎡、居室E1人・10.16㎡ (イ)設備等 コミュ二ティホール(地域へも開放)
(ウ) 自立訓練室(一人暮らしの練習をするワンルームマンションスタイル) (エ)
【3】理念・基本方針 【理念】
真心に育つ
【基本方針】
一、私達は、子どもの人格の尊厳を尊重し、権利擁護に努め、子どもの主体的な意思や自己決定の過程を大切にした支援をします。
一、私達は、「児童の最善の利益」を第一義に、やがて子ども達一人ひとりが「中心子どもの家の暮らしはよかった」と実感しても   らえる施設をめざします。
一、私達は、子ども、保護者の方々、職員、関係する方々皆で共に仲良く歩む施設、地域の方々に愛される施設をめざします。
一、私達は、関連する法令や法人規定を遵守し、本法人の合言葉「『あなたがいてくれてよかった』と思える街づくり」を土台とした、あたたかく専門性の高い自立支援を展開します。
一、私達は、子どもの安心・安全を脅かすことの予防を主体としたリスクマネジメントを徹底します。
一、私達は、子ども達への支援の仕組みを構築し、その継続的な改善活動を全員参加でおこないます.
【法人経営理念】
「あなたがいてくれてよかった」と思える街づくり (私たちの合言葉)
◎私達の使命(ミッション)
 私たちは、私たちが活動する地域社会において、自分や自分の大切な人が抱える心身の障害や生活環境上の問題によって、様々な「不自由」「生きにくさ」を現に経験し、または経験するだろうリスクを有する人々に対して、適切な専門性の担保された養護、介護、及びこれに関連する諸サービスを提供することを通じて、誰もが自分の存在に誇りを持ち、生きる喜びを享受するとともに、自分の家族や隣人の存在を素直に喜ぶことができる社会づくりに貢献します。
◎私たちの目指す姿(ビジョン)
 私たちは、常に前向きであり、成長すること、困難に立ち向かうこと、人の幸福に貢献することにこのうえのない喜びを感じる職員集団による、調和と活力に満ちた働きによって、私たちが活動する地域社会において、養護、介護、及び関連する諸サービスのもっとも信頼される提供者となることを目指します。
◎私たちの信念(バリュー)
≪尊厳≫
 私たちは、すべての人間は、一人ひとりが「かけがえのない存在」であり、生きる価値を有するということを信じます。
≪公正≫
 私たちは、私たちが地域社会において存在するためには、私たちの行う活動が常に公正なものでなければならないと信じます。
≪有能≫
 私たちは、私たちの使命を実現するためには、私たちが、私たちの能力を常に向上させるために努力し、私たちの提供する養護、介護、及びこれに関連する諸サービスをより効果的なものとすることが必要であると信じます。
≪協働≫
 私たちは、私たちの使命を実現するためには、私たちが、私たちの活動する地域社会に根を張り、地域社会を育てるとともに、地域社会に支えられるという、協働の精神を重んじるべきであると信じます。
≪革新≫
 私たちは、私たちの使命を実現するためには、既成概念にとらわれず、新しい発想のもとで組織運営に取り組む努力が永続的に必要であると 信じます。
【4】施設の特徴的な取組 子ども達の安心・安全な生活のため、子ども個別の面接を毎月1回実施し、その面接結果の共有と検討を児童相談所の職員も参加して頂いて毎月1回実施している。この取り組みは10年を超えている。(この取り組みの名称は「HOME」)
性=生の理念のもと、職員で性教育班を構成し、職員への性教育や児童相談所の保健師の協力を得て児童への性教育を実施している。
【5】第三者評価の受審状況 2022年09月22日(契約日)~ 2023年03月18日(評価結果確定日)
前回の受審時期 令和元年度
【6】総評 1 子どもの安心・安全な暮らしを守る取組
 子ども一人ひとりがユニットで安心して生活できるよう取り組んでいます。
「暴言・暴力をなくそう」「自分を大切にしよう。相手を大切にしよう」をスローガンとする「HOME」の活動の一環として、月1回子ども面接(安心、安全の確認)を実施しています。全職員が、心理療法担当職員による子ども面接の結果を共有したり、アセスメント研修を受講しながら、子どもの内面と向き合うように努めています。また、児童相談所の出席を得て月1回開催するHOME運営委員会で、子ども面接の結果による課題共有や対応策の検討等を行っています。
 職員に対しては月1回、指導監督職による職員面談を実施し、不適切な対応等がないかを話し合っています。

2 働きやすい職場環境への取組
 職員が過重労働にならずに、子どもの支援を行っていけるよう、さまざまな取組をしています。施設長は働きやすい職場作りには、職場のコミニュケーションが欠かせないことを職員と共有しており、スタッフ会議、養護課職員会議等を通じてコミュニケーションを図っています。
 施設長は、職員の有給休暇の取得や時間外勤務の状況をチェックして、職員の勤務状況を把握しています。また、介護休暇、育児休暇の取得、計画年休(連続5日の有給休暇取得を年3回)時間休暇制度を取り入れています。
 課長・係長は職員の健康状態を毎日観察し、職員に声かけをしています。年1回専門業者に委託して職員のストレスチェックを実施し、結果について産業医に相談できることを伝えています。

3 地域との交流と福祉ニーズにもとづく活動
 「地域社会を育てるとともに、地域に支えられるという協働の精神を重んじる」との法人理念にもとづき、地域との交流を継続し、把握した福祉ニーズへの取組を行っています。
 職員は小学生の子どもの登校班に同行し、子どもを見守りながら、同じ登校班の子どもや保護者と交流を図っています。子どもたちは自治会の資源回収に参加し、職員は自治会の行事の手伝いを行っています。
 地域のニーズにもとづいて、地区社会福祉協議会と連携し、以前行っていた地域に向けた無料の学習塾の再開を検討しています。

4 職員の質の向上を図る取組
 多様な課題を抱える子どもの入所が増加する傾向がある中で、職員の質の向上への取組は大きな課題となっており、職員は年度目標を定め、その実現に向けて取り組んでいます。職員全体の質の向上として、勤続1、2年職員へのさらなる手厚いフォローアップ体制や新人以外の職員へのOJTの実施、や施設の組織力の向上に取り組むスーパービジョンの構築が望まれます。

5 理念・基本方針の実現に向けた中・長期計画の策定
 施設では「施設の小規模化・地域分散化」を喫緊の中・長期的課題として捉えています。また、 里親養育包括支援(フォスタリング)事業については法人で取り組み、今年度10月より事業を開始しました。理念・基本方針の実現に向け、施設が中・長期に取り組むべき全体像を描き、課題を取り入れた中・長期計画の策定が望まれます。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 事前に当施設が提出させて頂いた本法人の規程や当施設の各種マニュアルは膨大であるにも関わらず、精読した上で調査に臨んで頂いたことがよくわかりました。まず、このことに感謝申し上げます。
そして、当施設の特にユニット職員が努力していることを汲み取って頂けたことは、日頃最も入所児童のために心を込めて支援にあたっているユニット職員の励みになりました。よい意味で自信を持って、今後も取り組んでまいります。
一方で、当施設の課題についても、率直にご指摘を頂きました。課題と感じつつも着手できていないものばかりですので、これを機に課題をリストアップし、職員で話し合いながら改善に向けての取り組みをいたします。既に23年度の重点課題に取り入れているものもあります。
 総合的に、多くの気づきを頂けた調査であったことに、重ねて感謝申し上げます。
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