社会的養護施設第三者評価結果 検索

岸和田学園

【1】第三者評価機関名 (特非)ふくてっく
評価調査者研修修了番号 SK18233
SK18234
SK18235
1102C009(大阪府)
0601B010(大阪府)
【2】種別 児童養護施設 定員 66名(地域小規模12名を含む)
施設長氏名 永野 良子 所在地 大阪府
URL https://kishiwada-gakuen.or.jp/
開設年月日 1948年12月27日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 阪南福祉事業会
職員数 常勤職員 43名 非常勤職員 14名
有資格職員 社会福祉士・精神保健福祉士 6名 保育士 13名
臨床心理士 1名 看護師 1名
医師 1名 栄養士 2名
施設設備の概要 (ア)居室数 66室 (イ)設備等 事務室 静養室 相談室 サロン 学習室(寺子屋)多目的室 心理室
(ウ) 厨房、浴室、便所、洗濯室、ユニットごとの食堂・リビング(吹き抜け) (エ) セカンドリビング(全室個室とあわせて、一人になれる場所)
【3】理念・基本方針 【理念】“笑顔と笑い声のたえないおうちづくり”

【基本方針】
・親と離れて、施設で生活する子どもたちに愛を伝えること
・子どもたちの心の中に住み込み、安心・安全の基地となること
・命の尊さを教え、子どもたち自身も愛情深い人となるように寄り添うこと
【4】施設の特徴的な取組 ①にじいろ“夢”コンサート
 体を動かすこと、リズムを獲得すること、大きな舞台に立つことが、子どもたちのトラウマを解消し、自己肯定感を高める。

②にじいろ“夢”基金
 退所後の自立支援のための基金(寄付による財源)

③“笑顔と笑い声のたえないおうちづくり”のための日常的な取り組み
・良質な睡眠、元気な目覚めのための就寝前の職員との個別の時間
・個々のレベルに合った学習支援(公文学習)
・日常から非日常へ(心理治療)
・集団のなかでも一人になれる場所(全個室・セカンドリビング)
・お茶会で職員を独り占め
・ユニットに2か所づつ、一人でゆったり入浴
・ユニットキッチンで調理(吹き抜け構造で、温かい湯気や美味しい匂いが漂う)
【5】第三者評価の受審状況 2019年09月12日(契約日)~ 2019年12月23日(評価結果確定日)
前回の受審時期 平成29年度
【6】総評 「岸和田学園」では、2017年4月に分園「あんだんて」、2018年4月に本園「あにまあと」を相次いで新築建替えし、それぞれ完全個室の小規模ユニット型児童養護施設としました。「あにまあと」開園に伴って、子どもや職員の配置を見直し、既に半年余りを経過していますが、建て替え事業に伴う経済的負担や、組織変更に伴う諸課題への対応を進めているところです。
「岸和田学園」では、中長期計画でさらに施設の小規模化や地域分散、多機能化・機能転換を目指しており、これを契機として、眼前の課題克服に留まらない展望をもって、人材育成と組織の基盤強化に努められることを期待します。

【特に評価の高い点】
・中長期計画で「小規模かつ地域分散化、高機能化および多機能化・機能転換」に向けて、と題する家庭的擁護推進計画を令和元年6月に見直し、改訂を行っています。それは2020年からの10ヶ年を5年づつの前・後期にわけ、段階を追って地域分散・小規模化を図るとともに、里親支援やファミリーホームの整備、在宅支援、特定妊婦の支援、一時保護機能の整備等を見通しています。
・様々なチャンネルを通じて組織的に人材確保に取り組むとともに、実効性ある職員育成と、良好な人間会計の醸成に努め、また「ココロング委員会」が働きやすい職場環境を推進することによって、職員の定着を図っています。
・小規模ユニットの家庭的なつながりと様々に工夫をこらしたハード環境があり、子ども本位の支援の中で、子どもの基本的欲求が充足され、自主性が育まれています。安心・安全な生活のいとなみの中で社会生活や生活技術の習得が図られています。
・多様なクラブ活動プログラム、にじいろ“夢”コンサートの発表の場があり、子どもの自己肯定感を高める取組が豊富です。学習環境についての取組も高く評価できます。
・各ユニットのキッチンで食事の最終調理が行われ、温かい湯気と美味しい匂いが漂う、家庭的雰囲気があります。
・学習環境と指導体制を整え、進路決定に必要な情報を提供するとともに、経済的支援を含む手厚い配慮を施して、子どもが最善の進路決定ができるように支援しています。

【改善を求める点】
・事業計画の主な内容を分かりやすくを子どもに伝えるということは果たせていません。
児童養護施設では、子どもや保護者の参加を促す観点から、子どもの養育・支援に直接かかわる事業計画を分かりやすく説明して、理解を得ることが求められます。
・管理者は主任・リーダー会議、職員会議等を通じて、経営課題の周知を図っていますが、すべての職員に対しての共有が不十分です。経営の改善や業務の実効性を高めるためには、職員の関心度を高め、経営参画を促す取組の徹底が求められます。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント 「評価や職員と子どものアンケートなどから、多くの気付きを得ることができた。大舎で大規模な児童養護施設を12年かかって小舎で小規模なグループに分けてきたが、毎年ほどにハード面や組織面での改善があり、理念や支援方針など隅々にまでいきわたらせることが難しかった。ハード面での整備がほぼ完了したので、今後は法人の理念や支援方針を職員と共有し、子どものさらなる安心安全の居場所づくりに職員全員で取り組みたい。
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