【1】第三者評価機関名 | (特非)ふくてっく |
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評価調査者研修修了番号 | SK2021201 S2020126 S2020125 2101C015(大阪府) |
【2】種別 | 児童養護施設 | 定員 | 36名 | |
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施設長氏名 | 永野 良子 | 所在地 | 大阪府 | |
URL | https://kishiwada-gakuen.or.jp/ | |||
開設年月日 | 1948年12月27日 | 経営法人・設置主体 | 社会福祉法人 阪南福祉事業会 | |
職員数 | 常勤職員 | 20名 | 非常勤職員 | 27名 |
有資格職員 | 社会福祉士 | 2名 | 精神保健福祉士 | 1名 |
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保育士 | 14名 | 看護師 | 1名 | |
栄養士 | 1名 | 調理士 | 1名 |
施設設備の概要 | (ア)居室数 | 本園32室 地域小規模3棟(居室数 計18室) | (イ)設備等 | |
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(ウ) | (エ) | |||
【3】理念・基本方針 | 【理 念】 "笑顔と笑い声のたえないおうちづくり" ・親と離れて、施設で生活する子どもたちに愛を伝えること ・子どもたちの心の中に住み込み、安心・安全の基地となること ・命の尊さを教え、子どもたち自身が愛を伝える人となるように 【基本方針】 ①やすらげる家…"自分は大切にされ、誰からもおびやかされない"という安心・安全な居場所づくりをする。笑いと癒しのある温かいだんらんを作る。 ②学び…よりよく生きるために、知識を積み重ねることはもちろん、学習によって培われた集中力や理解力、言語表現力、適応能力のスキルアップは、社会に出てからの宝となる。自学自習を習慣づけ、自分でできるちょうどの学習を継続するため、公文式学習を導入する。 ③食育…食事は、自立にとって、最も大切な柱と考える。季節ごとの旬の食材、ときには畑で自ら育てた野菜を使って、調理法を学びながら楽しく食卓を囲む。健康な身体をつくり、抵抗力を養うために、必要な栄養や昔から伝わる行事食、地域の伝統食などの知識が、自然と身に付くよう食育を行う。 ④共にあること…子どもと大人が一緒になって、毎日の暮らしをつくる。子どもの"やってみよう"を大切にし、実現できるためみんなで協力する。共に暮らす仲間が支え合い、励まし合い、育ちあうことの素晴らしさを実感する。地域の人々も参加できる行事や催しを行い、地域に溶け込み、必要とされる施設をめざす。 |
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【4】施設の特徴的な取組 | ①ここちよい暮らし、十分な睡眠 施設内のキッチンで作られたあたたかい食事を提供。お部屋は一人部屋で誰にも脅かされない安全感を保障し、自分だけの時間、空間を穏やかに過ごす。入眠時には絵本、子守歌、お話など、一人ひとりが職員と個別の時間を持つ。安心して眠ることは翌朝の活力を生み、健全な心と体を育む。 ②自立支援、ライフストーリーワーク 子どもの意向を尊重しながら、社会への自立を支援する。自立支援専門相談員が就学および就労支援等のリービングケアを行う。生い立ちや家族背景といった、子どもが自己を形成する上で基盤となる事実を整理し、子どもと共有する。自らを大切な存在と気づき、未来を描けるよう支援する。あわせて卒園生についても退所後の相談その他のアフターケアを行う。 ③地域との繋がり 施設のイベントに地域の人を招き、また子どもや職員が地域活動に参加するなど、子どもたちの応援団となってもらえるよう、地域にとけこみ、また必要とされる施設を目指す。 ④クラブ活動 ヨガ、ダンス、アート、体操、書道、和太鼓など多くのクラブ活動がある。子どもは好きな活動に参加して自信や達成感を育む。また、心と身体が繋がる体験を繰り返すことで、トラウマからの回復を図る。 |
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【5】第三者評価の受審状況 | 2022年08月30日(契約日)~ 2023年03月02日(評価結果確定日) | |||
前回の受審時期 | 令和元年度 | |||
【6】総評 | 【評価が高い点】 ■実習生の受入れ 法人には、児童養護施設、児童心理治療施設、企業主導型保育事業、認定こども園があり、実習生に合った実習施設を数か所確保できるという法人の強みを活かして、毎年多数の実習生を受け入れています。 ■地域との交流・地域貢献 施設開設以来、地域の子ども会や町内会からの依頼でグランドや公用車の提供、炊き出し等実施を担っており、その実績から地域の方々には良く認識されています。法人・施設で開催の夕涼み会、にじいろコンサートの取組は地域の活性化や児童養護施設に対するポジティブな理解の増進に貢献しています。多様な機関等と連携して、社会福祉分野のみならず、地域コミュニティの活性化やまちづくり、地域の防災対策や被災時における住民の安全・安心に繋がる取組を期待します。 ■子どもの受容 消灯前の寝かしつけの時間、担当職員と子どもとで1対1の時間が持てる”お茶会”や、子どもたちとイベントのアイデアを出し合ったりするユニット会議(子ども会議)を通して、子どもの要望の把握が行なわれています。 ■退所支援 退所してゆく子どもには、退所前から進学・就労・住まい探しから引越しの手伝い、一人暮らしに伴う経済観念の指導など、多面的な支援が行われています。 ■子どもの主体性を育む支援 職員は「つま先を君に」を基本姿勢として子どもと向き合い、しっかりと受けとめ、その主体的な行動を支援しています。特に、にじいろ夢コンサートについての積極的な行動は、子どもの能動的・主体的行動力を大きく育んでいます。 ■公文学習 週2回の公文学習では、一定の基礎学力を身につけながら、学習習慣の体得と、「やればできる」という自己効力感や集中力の育成を目指しています。このほか、児童が漢字検定を受験し、1名の合格者を出しているなど、子どもの特性を活かした学習支援をしています。 【改善を求める点】 ■ボランティアの受入れ ボランティア活動の受入れは、子ども達に社会や多様な大人との触れ合いの機会をつくるとともに、地域社会と施設をつなぐ柱の一つとして位置づける大切な取組です。その目的を安全に達成するためにも、ボランティア等の受入れや地域の学校教育施設・体験教室等への協力に関する方針を明確にし、ボランティア等受け入れのマニュアルの整備が求められます。 ■苦情解決状況の公表 苦情の受付と解決を図った記録がファイルに保管されていますが、HPの更新が停滞しており、苦情解決状況の公表は行われていません。 ■専門職の位置づけと機能 自立支援担当職員や家庭支援専門相談員等、専門職の位置づけをより明確化して、組織としての家庭支援機能を向上することを期待します。 |
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【7】第三者評価結果に対する施設のコメント | 岸和田学園として、力を入れている「子どもの受容」、「子どもの主体性を育む支援」、「退所支援」、「公文学習」、「実習生の受入」、「地域との交流・地域貢献」について、高く評価されたことは大変嬉しく思います。 今回、改善を求められた、「ボランティアの受入」、「苦情解決状況の公表」、「専門職の位置づけと機能」については、真摯に受け止め、改善に努めたいと思います。 “笑顔と笑い声のたえないおうちづくり”を理念とし、岸和田学園が、子どもたちにとっても、働く職員にとっても、居心地の良い場所であり続けるよう、岸和田学園全体で、取り組んでいきたいと思います。 丁寧なアンケート調査やヒアリング調査をしていただき、ありがとうございました。 |