社会的養護施設第三者評価結果 検索

おさひめチャイルドキャンプ

【1】第三者評価機関名 (株)中部評価センター
評価調査者研修修了番号 SK2021158
S2022055



【2】種別 児童養護施設 定員 30名
施設長氏名 西村 武 所在地 長野県
URL https://www.osahime.or.jp/
開設年月日 1954年12月20日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 長姫福祉会
職員数 常勤職員 27名 非常勤職員 5名
有資格職員 社会福祉士 3名 臨床心理士 1名
児童指導員 11名 精神保健福祉士 1名
保育士 21名 栄養士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 23室 (イ)設備等 地域交流ホール
(ウ) 親子訓練室 (エ) 一時保護室
【3】理念・基本方針 ★理念
 子どもたち一人ひとりのニーズに応える

★基本方針
 おさひめチャイルドキャンプが大切に育んできた、子どもと養育者(職員)の日々のいとなみである「個別養育機能」をさらに強化する。また、その基盤には「支援強化機能」がある。個別養育機能と支援強化機能、地域の要保護・要支援児童等の支援にあたる「地域支援機能」、これら3つの機能を充実していくことを基本方針とする。
 また、社会的養育推進計画により、「小規模かつ地域分散化された生活単位」「多機能化・高機能化された生活単位」を進める。
【4】施設の特徴的な取組 (1)個別養育機能 小規模グループケア
(2)地域支援機能 ショートステイ・トワイライトステイの実施
         長期休暇中の学童クラブ(学童保育)の開催
         飯田市母子ショートステイ事業の実施
         長野県母子緊急一時保護(DVシェルター)の開設
(3)専門支援   心理療法担当職員による心理療法
         臨床心理士によるスクールカウンセリング・相談支援の実施
         里親支援専門相談員による里親支援・レスパイトケアの実施
         自立支援担当職員を中心にアフターケアの実施
【5】第三者評価の受審状況 2024年05月14日(契約日)~ 2024年11月19日(評価結果確定日)
前回の受審時期 令和3年度
【6】総評 ◇特に評価の高い点
◆施設長の責任とリーダーシップ
 社会的養護における現場経験が豊富な施設長であり、子どもとその家族の権利擁護やニーズへの対応、支援の質の向上について常に考え、必要があれば行政に働きかける等のソーシャルアクションを起こし、事業展開や施設の発展のために鋭意取り組んでいる。また、子どもの健全な育成のためには、職員の心身の健康が第一であるとの考えから、職員同士の連携や休憩の確保等を重んじている。子どもだけでなく、職員の勤務にも配慮した建物構造や職員体制が整えられており、職員定着の実績へと繋がっている。

◆地域との交流、地域貢献
 地域に開かれた施設の雰囲気があり、施設設備として交流ホールも備えられている。設備は地域の子どもたちや地域住民の交流スペースとして利用されている。施設や子どもたちへの理解を深めてもらう場であると同時に、地域の福祉ニーズを把握する場としても活用されている。すでに心理療法担当職員による相談支援事業を実施しており、今後の地域貢献事業の展開にも期待ができる。

◆重層的な支援体制
 勤続年数8年を超える職員が14名勤務し、平均勤続年数も13年と全国平均を上回っている。施設長、統括主任の下にユニットチームリーダーが5名おり、施設の核として機能している。子どもとの信頼関係構築の為、安定した職員の確保が必要であるが、男女を問わず安定した職場環境を提供している。これによって、子どもの安心、安全な生活の基礎が確立している。幹部職員を中心に、組織的な各種会議、委員会、係等の仕組みがあり、各プログラムの進捗状況や改善に向けた協議がなされている事で、重層的な支援と評価を可能としている。

◆個別対応の充実と全体バランスの調和
 全てのユニットが小規模グループケアとなっている。ユニット単位でグループワークを開催し、「約束の確認」や「行事立案」等を取り決めている。相互の信頼関係を基本として、子どもの主体性を育み、生活技術の習得、自己肯定感の向上等に活かしている。職員はグループワークをより効果的に実施する為、日々の養育、支援の必要性を理解して働きかけている。また、ユニットリーダーが常に情報を共有し、施設全体の均衡を維持している。

◇改善が求められる点
◆事業計画と質の向上への取組み
 国や自治体による社会的養護への指針から、子どもの入所率の低下が起きており、長期計画を立てるにあたって困難な事態となっている。今後も行政との連携を密に行い、指針が明確に示されるよう働きかけると同時に、安定した施設運営・経営のために、指針や入所率に左右されない事業運営に取り組むことが望まれる。

◆マニュアルの点検と職員への浸透
 BCP(事業継続計画)の策定等、新たにマニュアル整備が行われた事は高く評価できる。一方で、「危機対応マニュアル」が一部更新されておらず、現状の施設形態や社会情勢に合わせたマニュアルの点検と見直しが必要となる。既に、一部マニュアルの見直しには着手しているが、可能な範囲で中堅以下の職員も主体的に参画し、マニュアルの目的や意義を共有し、職員の感度統一や理解を深める取組みを期待したい。
【7】第三者評価結果に対する施設のコメント  遅れていた「安全計画」が完成し、計画に則って研修・訓練を実施して参ります。特に中堅以下の職員の主体的参加については、各種場面においても意欲的に取り組めるように工夫し、自主性を促していきたい。
県が策定する「社会的養育推進計画(後期)」は、児童養護施設にとってはたいへん厳しいものであり、これからの施設運営をどうしたらいいのか悩むところである。指摘されたように行政との連携はより密に行って参ります。
第三者評価を受審したことにより、職員間だけでは気づけなかったこと、分からないことにが共有でき、改善していくきっかけになります。これからも子どもたちにより良い支援ができるよう努力して参ります。
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