社会的養護施設第三者評価結果

川内精舎

データ登録日 2025年09月29日
【1】第三者評価機関名 (特非)NPOさつま
評価調査者研修修了番号 SK2022035
S18143



【2】種別 児童養護施設 定員 45名
施設長氏名 藤本 功庸 所在地 鹿児島県
URL https://vihara-sendai.com/
開設年月日 1974年01月28日 経営法人・設置主体 社会福祉法人 藤照会
職員数 常勤職員 24名 非常勤職員 7名
有資格職員 社会福祉士 1名 精神保健福祉士 1名
公認心理師 1名 調理師 1名
保育士 8名 栄養士 1名
施設設備の概要 (ア)居室数 30室 (イ)設備等 保育室・心理療法室・プレイルーム・相談室・実習生室
(ウ) (エ)
【3】理念・基本方針 <理念>
・児童憲章、児童福祉法及び子どもの権利条約の基に、子ども達の基本的人権を守り、その輝かしい未来に向かって夢や希望が持てるよう、「児童の幸福」を図ることを理念といたします。
<基本方針>
1豊かな人間性と広い社会性を身に付けられるようにいたします。
2未来に希望を抱き、自己実現ができるように目指します。
3児童の自立心を養うとともに、自主性と責任感を育みます。
4児童の自律性を高め、学ぶことの大切さを知るとともに、感謝の心を育てます。
5家庭状況に応じた家庭環境調整を行い、家庭復帰できるように努めます。
【4】施設の特徴的な取組

・児童養護施設を取り巻く社会的環境や社会福祉法人の果たすべき役割等の理解の中で、「施設の小規模化」「家庭的養護の推進」「専門性の向上」に係る取り組みが行われています。
・施設の住居環境の在り方について検討が行われ、一部ユニット化への改修がなされています。これにより、プライバシーに配慮した「個室」とあわせて、リビングやダイニングにて対人交流の場を設ける等、生活環境を考慮した支援が行われています。
・地域交流と子どもの「自己肯定感」や「自己充実感」を目的とした「太鼓倶楽部」の活動を通じて、地域のさまざまな行事等に参加しています。
・「公文学習」を取り入れ、施設内で一人ひとりの発達段階や学習レベルに応じた学習支援を行っています。
・運動広場を整備し、子どもの体力向上や情緒の安定、対人交流の場として活用されています。今後は地域への開放施設としての利活用も計画されています。
・施設長が保守的になることなく、組織の課題にしっかりと向き合い、副施設長が支援現場の把握・スーパーバイズが適切に行われている事は評価できます。
・小規模化が実現し小学生以上の子どもは個室が整備され、集団で過ごしたいとき、静かに過ごしたいとき等の選択肢が広がった事で、子どもたちの落ち着いた生活が保障されています。

【5】第三者評価の受審状況 2022年12月10日(契約日)~ 2024年05月30日(評価結果確定日)
前回の受審時期 令和2年度
【6】総評

*特に評価の高い点
・社会福祉法人の基本理念を具現化すべく、児童養護施設のあるべき姿と今後の方向性を熟思しながら、基本方針や行動理念等の検討・見直しが行われています。
・施設の同一敷地内に「北薩児童家庭支援センター」を併設し、多様化・複雑化していくさまざまな困難事例への対応がなされています。公認心理師等の専門職により、適宜、心理判定等専門的支援が行われています。合わせて、「トワイライトスティ事業」や「ショートスティ事業」等の実施により、社会福祉法人としての機能・役割を明確にし、地域の中核的な拠点施設としてサービスを提供しています。
・関係機関や医療機関等との連携の中で、多様な背景を有する子どもへの個別の支援が行われています。
・令和3年4月に「地域小規模ひらさホーム」を開設し、地域生活への移行に向けて積極的な取り組みがなされています。合わせて、アフターケアの体制も整備されており、退所後の継続的支援が行われています。
・「コロナ禍」という子どもの置かれている環境を配慮し、ストレス解消と運動不足の改善、地域交流を目的とした「運動広場」を新設し活用されています。
・子どもファーストの考え方を礎に、「私たちが子どもの人権を守る」という使命感を持って、外部研修への参加や毎月の内部研修で職員への理念を周知しながら、子どものより良い成長に向けての養育・支援が行われています。
・「こどもファースト」という考えに基づき、副施設長が中心となり、子どもたちの生活や育成について施設をより良くしていきたいという意気込みが感じられます。また、エピソードの中から子どもの進路選択やアフターケアについての取組は素晴らしいと感じました。「プログラミング教室」の利用等、学習面だけでなく子どもの強みを伸ばすような実践も行われています。

*改善を求められる点
・社会的養護・児童養護施設を取り巻く地域社会の変化と社会ニーズに対応した法人・施設運営が求められてきます。施設理念の実現に向けて、法人や施設機能の向上を図るために中長期計画等策定し、①ビジョンを明確にすること、②その実現のための課題を具体化すること、③課題解決に向けたロードマップを明確にすること、そして、その過程において施設長や職員がともに課題へ積極的な取り組みがなされることが期待されます。
・社会的養護施設が担う地域での機能・役割を高めていく為に、人材育成や支援の質の向上に向けての取り組みが期待されます。各種マニュアルの整備と定期的な見直しの仕組み作りや、職務基準書等、標準的な支援マニュアル検討の取り組みが、今後のキャリアパス体制構築の基盤整備にもつながるものと期待されます。
・自立支援計画に、子どもの希望や意向、将来の希望などがより具体的に記載されることが望まれます。幼児であっても、意志や意向はあると思われますので、意思決定支援も含めて子どもたちの想いを支援計画に落とし込み、支援計画が努力目標や課題ばかりにならないよう、子どもたちの良いところや強みも反映されたものとなるよう組織としての取り組みに期待します。

【7】第三者評価結果に対する施設のコメント *今回の第三者評価を受けたことで、今後の施設の在り方を職員間で共有するためにも、改めて中長期計画を立て、ビジョンを明確にし、その実現のための課題整理と解決に向けた取り組みを行う必要性を感じました。
*施設の小規模化で小単位での処遇を行ううえで、個々の職員が判断すべき場面が増え、施設理念を具体化した職務基準等や標準的マニュアルの重要性の高まりとともに、職員の判断力向上やスキルアップの必要性を感じました。
*子ども達への対応については、自立支援計画に努力目標・課題等だけでなく、子どもの意向や将来の希望などを盛り込み、その子の良いところ・強みを引き出していける計画にするよう心掛けていきたいと思います。